ぼくが高校の頃に書いた小説ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

以下、？ちゃんねるからVIPがお送りします

　極度の面食いと云うべきか、女と云えば顔貌にしか色欲をそそられぬ男があった。女の身体に関しても、それを持て囃す他の男どもよりも、女の面に嗜好を持つ自分の目利きの方が甚だ確かであると男は確信していた。実際、真に造形をみる目の仔細さには彼と常人とで天と地ほどの差があった。男は女体の美しさの成るのを感覚で以って諒解していたのであるが、こと顔に対しては故知らぬものを感じていた。造形の如何に整ったものであっても、男の気に入る顔とは無縁なこともある。まったく非の打ちどころの見つけられぬ女であるのに関わらず如何ほども情欲に訴えぬと云う混乱が、一層の蠱惑となって深く男を惹きつけるのであった。
　
　──或る日暮れ前の時分、男が宝塚線で家へ向かっていたところ、誤って急行に乗ってしまい、もう中津まで迫っていた。そもそも急行は十三で止まる筈なのであって、男はそこで降りなかったのだから、普通列車であっても乗り過ごしたに相違ない。なので急行に乗ったということに意味は無いかもしれぬ。が、電車が中津で止まっていれば、男はそこで降りていたかも知れないのである。男は梅田で降りて、帰りの電車を待った。
　けれども結局、終点から戻ってくる途中に男は中津で降りた。ほんの気まぐれである。電車が去ると男は真っ先に叫んだ。
　「こんな駅で降りるのは醜女くらいのものだろう。狭い。醜い人間は狭いのだ。ほら、私が何を考えたか知れないが、この駅に立っているぞ。天上の美男に群がるんだ！さぁ早く出て来るがいい、虫けらどもよ！」
　周囲に人は無かった。一帯を征服したような心地であった。男は声高に笑った。
　