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勇者「16年間旅に出ない為の準備はしてきた…!」

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/07/11(月) 18:42:43 ID:o23LhZq90.net
――おきなさい。おきなさい、私のかわいい坊や……――


「おはよう。もう朝ですよ。今日はとても大切な日。」
「あなたが初めてお城に行く日だったでしょ。」
「この日のためにお前を勇敢な男の子として育てたつもりです。」


母「今日はあなたの16歳の誕生日、遂にこの日がやってきたのね」

勇者「…おはよう母さん」

母「支度を済ませなさい、すぐに王様へ挨拶に向かうわよ」

勇者「……うん、母さん。分かってるよ。」

――――――――――――――――――――――――――――――

王様「よくぞ来た!勇者よ!」

勇者「……お久しぶりです。王様。」

王様「そなたの父、オルテガは素晴らしい勇者であったが志半ば、魔王バラモスにやられてしもうた」

勇者「……」

王様「この世界ももう終わりだと思ったその時!オルテガの息子!そなたが代わりに魔王バラモス討伐に向かうと聞いたときは驚いたぞ」

勇者「……」

王様「まだこの世界にも希望がある…、なんと喜ばしい事じゃ、勇者よ!必要な装備や資金は準備しておる。魔王バラモスを倒して参れ!」50G,こん棒*2 ひのきのぼう たびびとのふく

勇者「……」

王様「何か不満か?必要な物があるなら何でも申してみよ」

大臣「……?」

勇者「………では」

勇者「お手元の資料、23pをご覧ください」

2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/07/11(月) 18:45:28 ID:o23LhZq90.net
王様「?」

大臣「王様。資料はこちらに」ササッ

王様「ふむ…?」ペラリ

勇者「まずこちらのアリアハンの丁度北西82㎞に位置します。ノアニールという村に住んでいる女Aの証言から」

勇者「彼女は宿屋の娘ですが丁度1ヵ月前にオルテガが宿に泊まり、その際性行為に及んだという証言がございます。」

王様「?!」

勇者「さらに詳しく事情聴取を行った所、彼女は顔を赤らめながら、彼は早漏であったと証言しています。」

大臣「…残念ながら勇者よ。ノアニールの村は数年前よりエルフの呪いにて住民全員が眠りについているという情報がある…時期に関しては聊かの疑いが…」

勇者「では資料の75pをご覧ください」

王様「!?」

勇者「こちらはここアリアハンから丁度北32kmに位置するムオルに住まれている少年ポポタからの証言です」

勇者「彼は1週間前にオルテガに出会いその際にオルテガから兜を頂いたと証言しています」

大臣「資料にはオルテガではなくポカパマズと記載されているが?」

勇者「父はその村で偽名を用いていたようです。ポカパマズの外見からして父オルテガであることは間違いありません。」

王様「……つまりそなたは何が言いたい?」

勇者「父は存命しております。つまり、私が冒険に出る必要はありません。以上Q.E.D。証明完了です」ドヤァ

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|  ..  | |武器 ......|盾|兜|服     ,,,,,,,,,,,, |装飾品,,,,|
├─―┼――――┼―┼―┼―――――――┼―――┤
|勇者|こんぼう.....|.....,,,,.|,,,,,..|たびびとのふく,,,,|   ,,,,,,,|
└――┴――――┴―┴―┴―――――――┴―――┘

3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/07/11(月) 18:48:41 ID:o23LhZq90.net
王様「……どれも根拠に乏しいな。」

勇者「……」

王様「仮に生きていると仮定して、なぜ今も世界は魔王の脅威におびえておる?」

勇者「それは…」

大臣「仮にそなたの父が存命でもそなたが旅に出る事の否定には繋がらないですな。」

勇者「…!」

王様「言いたいことはそれだけかな?ではそなたの旅の無事、信じておるぞ」

勇者「まだ話は終わ― 王様「諄い。」

王様「渦なす生命の色、七つの扉開き
 力の塔の天に到らん!ギガデイ―大臣「王様!!!!」タタッ

勇者「ハァ…ハァ…」タラァ

王様「すまない勇者よ。少し我を失くしておったわい」

王様「して、話の途中であったな、勇者よ。魔王討伐の旅に向かってくれるな?」ニコッ

勇者「もちろんです、王様。勇者の子息として当然の事でございます。」

王様「よくぞいった!では行って参れ!」

勇者「行ってきます!(くそおおおおお!!!)」

4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/07/11(月) 18:52:34 ID:o23LhZq90.net
母「おかえり私の可愛い息子や、王様への謁見、ちゃんと済ませた?」

勇者「…もちろんだよ母さん」

母「あなたは賢くて臆病な子。論理づけて王様を説得して旅に出ないものかと」

勇者「」ギクッ

勇者「…失礼だな母さん。僕はお父さんのこと誇りに思っているんだ。魔王はきっと僕が討伐するよ」

母「あらあら、それでこそあの人の息子ね」

勇者「今日はいろいろ疲れた。もう寝させてもらうよ」

母「おやすみなさい。」

勇者(……くそうくそうくそう!まじかよ!)

勇者「まさかまじで旅に行くことになろうとは」

勇者「…こうなったら仕方ない、魔王バラモスを討伐する為の攻略を確立せねば…」

勇者「そのためにはまずはこの世界のシステムを完璧に理解する…!」メタタッタッタッタァ♪

5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/07/11(月) 18:55:37 ID:o23LhZq90.net
勇者「…よし、確立できたぞ」

勇者「まずこのゲームのシステム上連れていける味方は3人までのようだ」

勇者「最速で討伐するためには性格パラメータがちからじまんor豪傑の【戦士】」

勇者「性格パラメータがすばしっこい【舞踏家】、そして切れ者or頭脳明晰の【僧侶】がベストのようだな。」

勇者「それぞれルイーダの酒場と呼ばれる場所にて作成が可能で種と呼ばれる能力に変化を与えるアイテムを5回まで与えることができ」

勇者「1回当たりの上昇幅は1~5とランダムに決定させられる。戦士は力に22以上、舞踏家は素早さ19以上、僧侶に関しては賢さに21以上の上昇が必須…か。」

勇者「……性別によるステータスの差異は生まれない、だが感覚的に男の方が頼りになる気がする。仲間にするなら絶対に男だ!!!!」ゼターイ

――――――――――――――――――――――――――――――

勇者「さて、まずはルイーダの酒場を探すか」

勇者「あのーすみませんルイーダの酒場はどちらですか?」

村人A「この道をまっすぐ行って十字路を左に行くとお城に行けるよ!」

勇者「あのー」

村人B「ここはアリアハンの街よ!」

勇者「……なるほど。この世界の住人はあらかじめプログラムされたスクリプトの則った台詞しか言えないのだな」

?「……」サササッ

6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/07/11(月) 18:58:48 ID:o23LhZq90.net
勇者「失礼」

店員「ここはルイーダの酒場よ!」

勇者「共に旅をするものを探しているのだが」

店員「かしこまりました。ご予算はいかほどでしょう?」

勇者「予算…?金が必要なのか?」

店員「もちろんでござ――」

店員「お客様。失礼ですが勇者様ですか?」

勇者「あ…そうだけど」

店員「ではこちらのプロモーションビデオをご覧ください」

勇者「いや既に連れていく職業も性別も決まっている」

店員「では始めますね」

勇者「…」

PV「それでは各職業を架空のキャラクターを再現して紹介していくよ!」

勇者(どうせ戦士♂舞踏家♂僧侶♂しか選ばないのに…。)ゼターイ

7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/07/11(月) 19:00:53 ID:o23LhZq90.net
戦士♂「勇者!俺の筋肉を見てくれよ!」ムキーン

舞踏家♂「ふっ、私の素早い動きについてこれるかな?」シュッシュッ

僧侶♀「勇者さまお怪我はありませんか?ご奉仕させて戴きますっ」ペコッ

商人♂「イエローパーオーブには私が必要ですぞ」キラーン

魔法使い♀「めらっ!めらっ!あっ!服が燃えちゃった><」ヒィッ

盗賊♂「命までは奪わないぜ。」フッ

遊び人♀「もっとリラックスして…あら?まだここの緊張が解けてないみたいね…?♥」

店員「お決まりになりましたか?」

勇者「既に決まっている…。」

勇者「僧侶、魔法使い、遊び人で!!!!!!!!!!!!」ドンッ

8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/07/11(月) 19:02:35 ID:o23LhZq90.net
僧侶「よろしくお願いします、勇者様」ペコッ

魔法使い「よろしくっ!天才魔法使いの私を選ぶなんて見る目あるわねっ!」フフンッ

遊び人「マ?マ!?よろ~!♥勇者一向に選ばれるとかマジ最の高なんだが♥」

勇者「…よろしく」

遊び人「どしたん!?勇者ちん暗くない!?」

勇者「…遊び人さん。ルイーダの時とキャラ違くないですか」

遊び人「え~だって素のキャラ出しても選ばれる気がしないし~」

勇者「……」

勇者(衝動的に選んだから種選択出来なかった…)

僧侶「勇者様、大丈夫ですか?」

勇者「…大丈夫だよ、あと様はいらないよ」

僧侶「そんな大それたこと…っ」

僧侶「…で、ではマスターって呼んでも…いいですか?」カァァ

勇者「」ドキンッ

勇者「……いいでしょう!」ドンッ

9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/07/11(月) 19:07:01 ID:o23LhZq90.net
勇者「ただいま…」ハァ

母「おかえりなさい私の可愛い息子や、あら?」

勇者「魔王討伐に向けてパーティを組んだんだ、ちょっと自分の部屋で作戦会議してくるね」

母「そう、無理しないでね」

―――――――――――――――――――
勇者「まずはレーベを目指そうと思う」

魔法使い「れーべ?」ドコォ

僧侶「このアリアハンから北西に位置する長閑な村ですね」

遊び人「旅行♥旅行♥」

勇者「…その前にまず、レベル上げを行おうと思う。」

魔法使い「はーっ!?そんなの必要ないしっ!私がパパっと魔物倒すしっ!」

勇者「異論は認めない。何事も慎重に行動するのが自分の主義だ」

勇者(勇者たるもの自身のイデオロギーの確立は必須…!何事にも動じず常に平常心を…)

遊び人「勇者ちん!こっちとこっちどっちのパンティーが好み?♥」

勇者(常に…平常心を…)

僧侶「マスター、鼻血が出てますよ?」アセアセ

10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2022/07/11(月) 19:10:47 ID:o23LhZq90.net
勇者(レベル上げの前にまず…)

勇者「貴方たち――

勇者(いや勇者である自分が謙る事は良くないか)

勇者「お前らはゴールドを持っているか?」

僧侶「私は貧しい人たちへお布施をしていたので持っておりません」グスン

魔法使い「ゴールドって何!?」

遊び人「パパ活してたからちょっとだけならあるよー~」100G

勇者「よこせ」ガシッ

遊び人「まじぴえん」キャッキャッ

勇者「パパ活ってなんだ?」

遊び人「知らなーい~男の人と散歩してるだけでゴールド貰えてまじうれぴみの鎌足~みたいな~」

勇者「なんだそれ…」

勇者「とりあえず武具を整えるか」

魔法使い「ブグって何!?」

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