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アラブ人「イギリスとの協定から」 ヨルダン「パレスチナ問題の経緯」

1 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:01:05.250 ID:jItz276u0.net
ーー1915年 アラビア半島 メッカーー

フサイン「ようやく応じる気になったか」

密使「戦後のアラブ世界をまとめあげるには、聖地メッカを治める太守のように高貴なお方が必要と考えております」

フサイン「そのかわりにオスマンを叩け、と。期待には応えると伝えよ」

密使「かしこまりました」

アリー「父上、あの男が例のイギリス人ですか」

フサイン「マクマホンとの話を進めていてな。新しい条件を出してきた」

アリー「シリアのダマスカスとアレッポを結ぶ線より西は純粋なアラブの地と呼べない、とありますな。シリアの西といえば」

フサイン「エルサレムは我々に渡さんつもりだろう。まぁいい、弟たちを呼べ。支度にかかるぞ!」

2 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:03:08.544 ID:jItz276u0.net
アラビア半島の西側海沿いの地域にはイスラム教最高位の聖地メッカとメディナがあり、オスマン帝国支配下にありながら自治権を持っていた。
ここでフサインとイギリスとの協定がご存知フサイン=マクマホン協定なのだけど、これはよく
「イギリスがパレスチナ人に独立を約束した」とか
「イギリスがアラブ人にパレスチナ独立を約束した」と説明される。
しかし現在のパレスチナ(オスマン帝国支配当時はシリアと呼んだ地域の一部)は除外されていた上に、フサインはアラブ人ではあってもパレスチナ人でもなんでもない。

この話にパレスチナが関わってくるのはもう少し先のことになる

3 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:06:23.166 ID:jItz276u0.net
翌1916年

フサイン「我が領地をヒジャーズ王国として独立させたが、私ももう年だ。これから手に入れる地は息子のお前たちに任せたい」

長男アリー「しかし、オスマン軍の抵抗も大したことはありませんな」

三男ファイサル「ヒジャーズ以外のアラブ人も志願してくるし、なによりイギリス人のよこした機関銃とは便利なものよ。一丁で兵100人分の弾を撃てる」

次男アブドゥッラー(その分、危険に晒す兵を減らせるのは良いが)

アブドゥッラー(イギリス人と事を荒立てれば、今度は我々がこれを向けられるというわけか……)

海沿いのヒジャーズ王国から内陸の方はオスマン帝国の支配地域から外れる、
フサインと4人の息子たちは、アラビア半島の根本へと北上していった。
破竹の快進撃を続けていくフサインたちであったが、
『ヒジャーズ』という、なんか聞き慣れない国名
しかもフサインたちの治める地にあるメッカは、現在のサウジアラビア

そう聞いてだいたいお察しの通り、このヒジャーズ王国はのちに滅びる。

4 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:09:07.245 ID:jItz276u0.net
フサイン「反乱の結果、アブドゥッラーとファイサルは自前の領地を持てて」

アリー「父上は全アラブ人の王というわけですな」

フサイン「まぁ、それくらいは名乗る権利があるというものだろう。集まった志願兵は結局数千人、それにイギリスはこの戦でオスマンに勝つだろう」

アリー「イギリスの上陸に際し、我々もだいぶオスマンの兵を引きつけましたからな」

フサイン「いずれはカリフの座も、我がハーシム家に取り戻してみせるぞ!」

ーー1920年ーー
アリー「やはりオスマンは破れましたな」

フサイン「これで脅威は去った、が……」

アリー「それはイギリスにとっても同じこと。反乱の頃は気前良かった支援も徐々に減り、ついには切られてしまいました」

フサイン「ま、まぁそれは戦争が終われば当然のことだ…… あまりイギリス人に頼ってばかりもいられないな」

この1920年は、オスマンとの講和とは別のところで大きな問題が起こり、フサインのヒジャーズとイギリスのとの関係は、反乱中ほどではなくなることになる。
かといって決別するほど冷え込むわけでもなく、共にオスマン帝国と戦った時のような手厚い支援がなくなったのは当然と言えるかもしれない。

5 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:10:28.627 ID:jItz276u0.net
ーー1922年 トルコ共和国 イスタンブールーー

元オスマンの皇帝「共和制になって、皇家も終わりか……」

元皇太子「これからどうしましょ」

議会「とはいえ、国民には皇家と完全に縁を切るのは名残惜しいという声もあります。元皇太子殿下はカリフの地位へどうぞ」

元皇太子「私がカリフとな」

議会「ええ、政治的な権限はなし、カリフの権威だけという形で」

元皇帝「では私も……」

議会「あ、元陛下にはイギリス軍が亡命用の船を用意してます」

元皇帝「殺すぞ」

6 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:11:38.806 ID:jItz276u0.net
さっきから何度か挙がってる『カリフ』ってなに? というと
元々は「後継者」の意味で、イスラム教徒が特に『何の』かと指定せず後継者と言った場合、イスラム教の創始者ムハンマドの後継者のことになる。
宗教上の最高指導者の立場にあるえらい人なのだ。
ただ、トルコ共和国初代大統領が最後のカリフへの手紙でハッキリ釘を刺しているように、共和国では特に何の権限も持たなかった。

7 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:13:14.753 ID:jItz276u0.net
ーー2年後の1924年ーー

議会「我が共和国も近代化の波にのり、政教分離の原則を取り入れることにしました」

元皇太子「政治と宗教を分離、ということか」

議会「つきましてはカリフ制を廃止しようかと。あ、元皇太子殿下の共和国出禁もセットで」

元皇太子「殺すぞ」

亡命先の元皇帝(息子よ… こっちへくるのだ……)

このトルコのカリフ制廃止が、直後にとてつもない(とは言ってもトルコは何の非もない)悲劇を起こす事になる。

8 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:14:27.144 ID:jItz276u0.net
ーーヒジャーズ王国ーー

アリー「トルコはカリフ制を廃止したようです」

フサイン「アラブ人ですらない連中がカリフを名乗ることなど、あってはならなかったのだ。その座は預言者ムハンマドの祖父から連なる我がハーシム家にこそふさわしい」

アリー「……やりますか」

フサイン「作り話までして簒奪した異民族から、本来の持ち主に還るのだ! 全てのアラブ人が喜び、本来のカリフ復活を歓迎するであろう」

ーーとなるはずだった。

アラブ人の王。これはまだ問題なかった。自称王様なんてどこにでもいる。
しかし、カリフとなると話は別となる。それほど当時のイスラム教徒にとっては特別な地位なのだった。

9 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:16:08.346 ID:jItz276u0.net
フサイン「……カリフ宣言を認める報せは」

アリー「来てません」

フサイン「百歩譲って、旧オスマン帝国支配地域外から認められないのはまだわかるとしよう」

フサイン「しかし我々の反乱で解放されたシリアからは!?」

アリー「来てません」

フサイン「アブドゥッラーとファイサルの領地からは!?」

アリー「来てません。まぁ今はイギリス委任統治領なので、事情があるのでしょう…… あ、一件だけきてました」

フサイン「おお来たか! 誰からだ!?」

アリー「オスマン最後の皇帝、メフメト六世からですな」

フサイン「あいつか! いらんわそんな認定!」

アリー「手紙によると、公務から解放されてマルタ島生活エンジョイしてるようですね」

フサイン「そうはなりたくないものだな……」

10 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:19:03.193 ID:jItz276u0.net
フサイン「しかし何故だ!? カリフといえばイスラム世界最高位の称号」

フサイン「それをメッカとメディナを抑えるハーシム家が取り戻したというのに!」

アリー「なぜこんな独り相撲… あ、いや空回りした感じに……?」

フサイン「お前それ言い直す意味あるか?」

フサイン「正直なところ、ヒジャーズの民からもあまり評判は良くないようだ」

アリー「それは父上が重税をかけすぎだからでは」

フサイン「オスマンに簒奪されてから数百年、もうカリフの権威はアラブ世界から忘れられてしまったのか……」

アリー「それならまだいいのですが、不穏な情報も入っております」

アリー「それも東の隣国ナジュドから」

11 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:22:16.547 ID:jItz276u0.net
ーーヒジャーズの東の隣国ナジュドーー

サウード「トルコが手放した途端にカリフ宣言か…」

サウード「老いぼれめ、オスマンの次はイギリス人に媚を売ったかと思えば」

宰相「あの自称カリフ、我がナジュドの民をメッカへの巡礼から締め出し始めています」

サウード「神聖なメッカの地は、耄碌した身の程知らずに任せておいて良いものではないな」

宰相「我らナジュドをおいて他に、この愚行を止められる軍はありませぬ。ご決断を」

ナジュドというのもヒジャーズと同じく聞き慣れない国名だが、こちらは後に『サウード王家が治めるアラビアの国』を意味するサウジアラビアに改名する。
この話の最初の方でも触れたように、現在ヒジャーズ地方を領有するサウジアラビアである。

ということは

12 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:24:33.362 ID:jItz276u0.net
ーーカリフ宣言から半年後ーー

フサイン「ナジュドにこれほどいいようにされるとは、情けない……」

アリー「敵は7倍の戦力を送り込んできています。撤退しましょう」

フサイン「アブドゥッラーとファイサルは何故援軍の一つもよこさんのだ!?」

アリー「二人とも今はこのヒジャーズを離れ、それぞれの国を起こす大事な時です」

フサイン「イギリス人どもも、用が済めば冷たいものよ…」

フサイン「西のジェッダに撤退するぞ! 体制を立て直す!」

13 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:25:49.378 ID:jItz276u0.net
ーージェッダからさらに北の街アカバーー

フサイン「ふぅ、とうとうヒジャーズをぬけて来てしまった」

フサイン「ここは今…… パレスチナといったか?」

アブドゥッラー「ヨルダン川の東側はトランスヨルダンです、父上」

フサイン「民からもせがまれて、アリーに譲位して来た。しばらく匿ってもらうぞ」

アブドゥッラー「それが……」

英弁務官「ナジュドのサウード王から通達がありましてな」

フサイン「イギリス人か。どうした」
(当時ヨルダンはまだイギリス委任統治領)

14 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:30:46.593 ID:jItz276u0.net
第一次大戦後
現在のイスラエル・パレスチナ・ヨルダンを含む地域はイギリス委任統治領パレスチナ、
つまりイギリスが主導していずれ独立させる土地となっていました。
イギリスはそのパレスチナを、ヨルダン川の西と東で分割、
東側はフサインの息子アブドゥッラーを王とするトランスヨルダンとしました
(トランスヨルダン、というのはヨルダン川の向こう側という意味)

この話には関わってきませんが、トランスヨルダンの東は委任統治領メソポタミア、現在のイラクです

15 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:32:31.240 ID:jItz276u0.net
英弁務官「あの自称カリフをアラブ世界に置いておくな、とのことです」

アブドゥッラー「我々もまだまだ国を興している最中です。ナジュドと戦える力は整っておりません」

アブドゥッラー「それに川の向こうにはヨーロッパを追われたユダヤ人たちもいます」

フサイン「これ以上の揉め事は起こせない、か」

英弁務官「脱出用の船を用意してあります。パレスチナから地中海へ出て、キプロスへ逃れられるのがよろしいでしょう」

フサイン「……アブドゥッラーよ」

アブドゥッラー「はい」

フサイン「馬をくれぬか…… アラビアの馬がいい……」

アブドゥッラー「御用立ていたします」

16 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:35:29.685 ID:jItz276u0.net
ーー1927年ーー

サウード「ではアリー・イブン・フサインに代わり、私がヒジャーズ王も兼任すると。よろしいな?」

英「ではサインを」

アリー(こいつら、たかだか10年前は父上を応援しててこれだ……)

この数年後の1932年にナジュドはサウジアラビアに国号を変更する

フサイン=マクマホン協定を受けて建国したヒジャーズ王国は、ナジュドとの連合王国構成国から、後にサウジアラビア王国の一地方となり、16年(サウード支配までで数えると11年)という国家としては短すぎる歴史を終えた。

17 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:37:28.614 ID:jItz276u0.net
ーーキプロス島ーー

島民A「あのアラビア馬の家の人が王様って、本当なのか?」

島民B「いい人だよ。珍しいアラブの話を聞かせてもらったことがある」

島民A「御隠居の身ったってなぁ、俺たちにも恵んでくれないもんかね」

島民C「よせよせ、時々息子たちが会いにくるんだけどよ、あら金借りに来てるんだろう。そういう話にくたびれてるはずだ」

島民B「それにあの人、オスマンに反乱を起こした大将だっていうぜ」

島民A「へぇ、そりゃあ俺もお目にかかってみたいもんだ」

18 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:39:00.152 ID:jItz276u0.net
詩人「いかがですかな、ここでの暮らしは」

フサイン「悪くない。島民は私によくしてくれるし、馬もいる」

フサイン「息子たちもたまには顔を出すし、今日のように客人もある」

詩人「それはなによりです」

フサイン「どうだ…… また昔のように詩を聞かせてはくれんか」

詩人「遊牧民たちの古い詩を仕入れてまいりました」

19 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:42:38.254 ID:jItz276u0.net
ーーそれからさらに数年後 サウジアラビア リヤドーー

英「お気持ちはごもっともですが」

サウード「……もう長くはないのか」

英「一命はとりとめましたが、半身の麻痺が残りました」

英「最期の数年となるでしょう。せめてアラブの地で過ごさせてほしいのです」

サウード「生まれ故郷のメッカに入れるわけにはいかん」

サウード「だが…… 地中海のキプロスからトランスヨルダンに何を運び込もうが、余もその中身までは言い当てられんな」

英「寛大なお心遣いに感謝いたします」

フサインはヨルダンの首都アンマンに受け入れられ
翌年、エルサレムに埋葬された。

20 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:44:11.672 ID:jItz276u0.net
これまでヒジャーズ編
ここからヨルダン・パレスチナ編になります

21 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:46:47.031 ID:jItz276u0.net
ーー少し時代は少し遡って1921年 イギリス委任統治領パレスチナーー

アブドゥッラー「…つまり弟のファイサルにはメソポタミアを与えると」ビキビキ

英(どうしようすごい機嫌悪いぞ……)

英(戦後のアラブ地域分割で、ダマスカスはウチの担当じゃないって言っときゃよかった…… まさかあそこまで進撃するとは)

英「殿下にはこのパレスチナの地を治めていただきたいのです」

英「ただしヨルダン川の東側を領地とします」

アブドゥッラー「父上にもエルサレムは渡さぬつもりだったようだな。プロテスタントがあの地に何の用だ?」

英「エルサレムにというわけではないのですが、ユダヤ人のナショナルホームを建設します。しかしご安心を、奴らには殿下の領地には手出しさせません」

22 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:48:33.330 ID:UZ6LJVPP0.net
ーー1916年 カイロー

アラビア軍の将兵たちがカイロに集結し、フサインの指揮の下で連携を図る。アリーと共にダマスカスやアレッポからの兵士たちも到着し、アラブ連合軍が形成されつつあった。

フサイン「我らが団結すれば、オスマンに打ち勝つことはできる。しかし、イギリスも我らに都合よく動くだろうか」

アリー「イギリスは利害がらみが絡んでくる。約束を破ることもあるだろう」

フサイン「その通りだ。しかし、我々が手に入れるべきはアラブの自由だ。イギリスにとって都合が悪くなれば、その時考えればいい」

アリー「ですが、エルサレムの問題は根深い。イギリスがどこまで協力してくれるか…」

フサイン「そのためにも、我らがイギリスに提案する条件は慎重に考えねばなるまい。エルサレムを手に入れるためには、巧みな外交が必要だ」

アリー「兄上、その通りです。では、どのような条件を提示しましょうか」

フサイン「まず第一に、シリア全域の独立を求めよう。エルサレムはもちろん、我らがアラブの手に渡るべきだ」

アリー「そして、その他の領土にもアラブが自治を行うことを確約させるべきですね」

フサイン「そうだ。イギリスは我らの協力を得るために、アラブの意向を尊重せねばならん。それと同時に、彼らの支援があれば初めてオスマンに打ち勝てる」

アリー「エジプトにも触れ、アラブの利益を最大化できるように交渉すべきです」

フサイン「なるほど。それでは、イギリスとの協定交渉に臨もう。アラブの未来のために…」

23 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:49:15.889 ID:jItz276u0.net
アブドゥッラー「そのナショナルホームというのはなんだ?」

英「ご存知の通りユダヤ人は世界中で迫害されております」

アブドゥッラー「『世界中で』と言うな。中東ではユダヤ人もアラブ人と共存して来た長い歴史がある」

アブドゥッラー「しかも迫害してるのはお前たちだろう。どの口が言うか!」

英「そのユダヤ人のふるさとと言うべきものが必要と考えまして」

アブドゥッラー「ほぅ、ユダヤ人の国を作ると」

英「いえ、『国』とは書いておりません。あくまでナショナルホームとして…」

アブドゥッラー「…国ではないと? ユダヤ人に居場所を用意するのではないのか?」

英「いえ、『ナショナル』ホームというくらいですのでそこはこう……」

アブドゥッラー「ハッキリせんか! どっちなんだ!?」

24 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:49:33.762 ID:UZ6LJVPP0.net
ーー交渉の舞台、1916年 ロンドンー

フサインとアリーはイギリス政府との交渉のためにロンドンに向かった。彼らは、アラブの独立と領土の自治を求める条件を持ち、イギリスとの新たな協定を模索していた。

イギリス外務大臣「アラブの友よ、ようこそロンドンへ。お力添えできることがあれば何でも仰ってくれ」

フサイン「感謝申し上げます。我々の目的はシリア全域の独立と、他の領土においてもアラブの自治を確保することです」

アリー「そして、エルサレムが我々の手に渡るべきだという確約を得たいのです」

イギリス外務大臣「なるほど、重要な要望だ。しかし、我が国もその地域において様々な利害関係が絡んでいる。交渉が難航する可能性もあることを理解しておいてくれ」

フサイン「私たちは理解しております。ただし、アラブの自由を守り、発展させるためには、これらの条件が不可欠であると考えております」

アリー「イギリスとの連携があれば、オスマンに対抗できます。その意味でも、私たちの要望は妥協できません」

イギリス外務大臣「慎重に考えねばなりませんな。ただし、アラブの協力があれば、我が国もある程度の妥協は検討できます」

フサイン「それならば、シリアの完全な独立とエルサレムの確約を得ることができるのでしょうか」

イギリス外務大臣「条件が整えば、それも考えられるでしょう。しかし、交渉は時間がかかるかもしれません」

アリー「時間はかかっても構いません。アラブの未来のために、我々は交渉を進めます」

交渉が開始され、アラブとイギリスは新たな協定を模索する中で、歴史的な舞台が動き出していった。

25 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:50:23.205 ID:UZ6LJVPP0.net
ーー数か月後、1917年 ロンドンー

交渉は慎重に進められ、アラブとイギリスの間で合意が形成されつつあった。しかし、複雑な利害関係や地政学的な要因から、折り合いをつけることは容易ではなかった。

イギリス外務大臣「アラブの皆さん、ご辛抱いただき感謝します。我が国としても、アラブの自由と発展を重視していますが、一部で厳しい要求もあります」

フサイン「私たちはアラブの未来を考えており、厳しい要求も理解しております。ただし、シリアの完全な独立とエルサレムの確約がなければ、協定には至りません」

アリー「アラブの人々は長い間自由を求めてきました。我々の要望が叶わない限り、協力は難しいでしょう」

イギリス外務大臣「理解します。エルサレムに関しては、一定の自治権を確保することはできますが、完全な独立は難しいかもしれません」

フサイン「それでは、シリアの独立に関してはどうでしょうか」

イギリス外務大臣「シリアについては、自治権を認めることは可能です。ただし、一部の戦略的な地域については、我が国の利益も考慮せざるを得ません」

アリー「アラブの人々が手に入れるべき土地を制約されることはできません。我々の要求は変わりません」

イギリス外務大臣「悩ましい問題ですが、もう少し時間をかけて交渉を続けましょう。折り合いがつけば、両者にとって双方に利益となる協定が成立することを期待しています」

交渉は難航を極める中、アラブとイギリスは将来の協力を模索する道を見出すために、さらなる努力を重ねていくのであった。

26 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:51:43.383 ID:jItz276u0.net
何が起こったんだ……?

27 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:52:37.105 ID:jItz276u0.net
>>23の続き

『ナショナルホーム』というのはおそらくハッキリ「国家」を表す言葉を避けるための仕込みだと思われる。
国家じゃなけりゃ何ができることになってたんだろうか。
その辺はちょっとよくわからない。

それにしても、フサイン=マクマホン協定とサイクス・ピコ協定とバルフォア宣言と
戦争中から、自分が負ける前提の話が周り中で進んでたオスマンの気持ちとは

28 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:54:05.891 ID:jItz276u0.net
アブドゥッラー(いろいろ言いたいことはあるが、イギリスを敵に回すのも賢くないな)

アブドゥッラー(特に今はこのトランスヨルダンを盤石にすることに専念しよう)

アブドゥッラー(なにしろまだイギリス委任統治領。本格的な独立を目指さなくては)

ーー1924年ーー
フサイン「…というわけで息子よ、かくまってくれ」

アブドゥッラー「父上… しかし今は、我々もサウードと戦う力はありません。それに、他にも問題を抱えております」

フサイン「シオニストどもか。奴らめ、アラブの地を何と心得るか」

アブドゥッラー「ヨーロッパでの彼らの窮状には胸の痛むものがあります。どうにかしたいものですが」

29 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:57:33.827 ID:jItz276u0.net
パレスチナには1918年の時点でアラブ人70万人、ユダヤ人5万6千人が暮らしていた。ユダヤ人率7.4%ほど。
それが1931年には17%、5年後の1936年には27%近くにまでなった。

移民がそれだけ増えれば軋轢も起こるというもので、ユダヤ人入植やイギリス統治へ抗議する反乱が起こったりもしている。

また国連ではパレスチナをアラブ人とユダヤ人の居住区を分ける案が採択されたが、これにアラブ人たちは猛反発し、軋轢は凄惨な殺し合いを含む紛争にヒートアップした。

何かが起こるたび、争いを逃れて暮らしたいアラブ人たちは、ヨルダン川を渡る決意を迫られる。
今も続く難民問題の始まりだった。

30 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 21:59:16.779 ID:jItz276u0.net
ーー1948年5月12日 ユダヤ人民管理局会議ーー

「ついに明後日、5月14日にイギリスの委任統治終了の期限が迫っております。それに合わせてユダヤ人国家の建国宣言を行うか、それとも今は目の前の紛争を収めるべきか」

「昨年イギリスの撤退発表以来、事態は悪くなる一方だ」

「いっそアメリカの停戦提案を受け入れるのはどうです?」

「しかし、それで周り中にいるアラブ人たちと話が進むだろうか…?」

「ヨルダンのアブドゥッラー王は信用できます。停戦に応じれば、我々の領土を積極的に奪おうなどとはしない方です」



会議は長引いたが、後のイスラエル初代大統領の、鶴の一声で決まった。

チャイム・ワイズマン「何を待っているんだバカヤロー!」

31 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:03:04.908 ID:jItz276u0.net
建国宣言では、イスラエルではユダヤ人も非ユダヤ人、宗教・人種に関係なく全ての国民が平等の権利を持つこと、周囲アラブ国家との平和的な共存を目指すことが語られた。

それがどこまで本気だったかを知る機会は永久に失われることになる。

32 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:04:17.665 ID:jItz276u0.net
イスラエル建国宣言の翌日にアラブ諸国が侵攻を開始、これが第一次中東戦争である。
ーーというのは有名な話だけど、>>29でもちょっと触れたように、国連のパレスチナ分割決議あたりから、住民同士の紛争は激化していた。

混雑する市場やバス停には爆弾が仕掛けられ、人混みがあれば爆弾が投げ込まれ、その報復にいくつもの村が巻き込まれていく。
アラブ人志願兵とユダヤ人の民兵が衝突し、数百人の死者を出す戦闘も起きた。

住民同士の軋轢は『紛争』から、訓練された兵士同士が戦う『内戦』となっていた。

33 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:07:28.408 ID:jItz276u0.net
ーーイスラエル建国宣言から数ヶ月前 シリアーー

士官「パレスチナ内戦へ介入するのですか」

司令「正規軍を送るわけにはいかん。軍務を離れた上で、アラブ連盟の有志と合流してほしい」

士官「そうなることをお待ちしておりました」

司令「仮にもパレスチナの宗主国(イギリス)を刺激することは避けなくてはな。それに、君たちにはもう一つの介入目的を任せたい」

士官「パレスチナのアラブ人救出以外に、でしょうか」

司令「ヨルダン軍が既に介入している。近いうちにアブドゥッラーはエルサレムを抑えるだろう」

士官「エルサレムにはアラブ聖戦軍を名乗るゲリラがいるとは聞いていますが、ヨルダン軍が優勢なのでしょうか」

司令「20年前に故郷ヒジャーズのメッカとメディナを失った男だ。エルサレムに野心を出すかもしれん」

司令「密命である。いざとなれば、アブドゥッラーの兵を討て!」

34 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:10:01.809 ID:jItz276u0.net
1947年の国連によるパレスチナ分割案から、1948年5月までのパレスチナ内戦には、現地アラブ人が従軍経験あるアラブ人を集めて旗揚げしたりした(さっき名前挙がったアラブ聖戦軍)他、実は外国勢力も介入していた。

唯一正規軍を送り込んでいたのがヨルダン

周囲のアラブ各国も堂々とは送れないので非正規軍を結成して送り込んでいたが、彼らはヨルダンの動きにも警戒しなければならなかった。

という具合に、第一次中東戦争は
「イスラエル独立の直後にアラブ諸国が攻めてきた」
というか
パレスチナ分割案を機に始まったパレスチナ内戦に各勢力が介入、イギリスの撤退を機に国際戦へ発展していった。
という方が正しいような気がする。

35 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:12:25.505 ID:jItz276u0.net
ーーシリアの場面からさらに数ヶ月遡るーー

アブドゥッラー「アラブ聖戦軍と。立ち上げたのはアル・フサイニー家の者か」

宰相「エルサレムの大ムフティの甥ですな」

アブドゥラー「暴動を扇動して罪のないユダヤ人を殺してきた連中が聖戦とはよく言う!」

将軍「ナチスのユダヤ人狩りに協力までしていたといいます」

アブドゥッラー「イギリスが撤退し、奴らがアラブ人国家の主導権をとれば」

宰相「エルサレムを独占することでしょう」

アブドゥッラー「それはさせたくないな。偉大な聖地は全ての宗教に開放されるべきなのだ」

将軍「周辺国も介入には躊躇しているようです。聖戦軍を排除できるのは我々をおいて他にいません」

36 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:15:40.321 ID:jItz276u0.net
ーー中東戦争開戦直後ーー

アブドゥッラー「エルサレムを占拠したか」

アブドゥッラー「アル・フサイニー一族の大ムフティは解任しろ。再入域も禁止だ」

順調に聖戦軍を排除したヨルダン軍。この時支配した領域が、概ね現在のヨルダン川西岸地区になっている。

しかし、このヨルダンの動きに警戒している国があった。

エジプト「…いや、それはウチだけに限らないと思うぞ」

エジプト「だがまぁ、いずれパレスチナ人の議会ができた時、全てをヨルダンのいいようにさせるのも面白くない」

エジプト「我々もパレスチナを切り取るぞ! 表向きは保護領とでも言っておこう」

この時エジプトが保護領とした地域が、概ね現在のガザ地区になる。

37 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:18:21.907 ID:jItz276u0.net
アブドゥッラー「エジプト保護領全パレスチナ政府と名乗っているそうだ」

宰相「しかも初代大統領として、追放したエルサレムの大ムフティを担ぎ出しました」

アブドゥッラー「実態はエジプトの傀儡だろう。放っておいても大した害は……」

(元)大ムフティ「壊滅状態の聖戦軍を再編成し、エルサレムを『奪還』する!」

アブドゥッラー「……西岸地区に残る聖戦軍を排除しろ」

将軍「御意」

38 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:20:22.896 ID:jItz276u0.net
住民同士の紛争→外国勢力の介入→イスラエル建国して対外戦争化→でもアラブ同士も睨み合い
という、なんかもうワケのわからない経過をたどったこの戦争に、もう一つ変わったことがある。

イスラエルは民兵組織に従軍経験者を受け入れて国防軍を結成してこの戦争を戦っていた。
とはいえ、当時はヨーロッパの国々から武器の禁輸措置を受けていて、世界の(というか主にアメリカの)支援団体からお金をもらっても、航空機はなかなか手に入らない。
そこでイスラエルはチェコと接触、なんと完成したばかりの最新型機S-199を売却してもらえることになった!

……だが実はこのS-199、第二次対戦中にチェコで許諾を得て生産していた他国の戦闘機を、戦後再生産(その分の許諾はどうなってるんだろうか…)したもの。
その元になったのは、イスラエルにとって憎きナチスドイツのbf109だった。
しかも戦闘機用エンジンが手に入らなかったため、爆撃機用エンジンに換装したりしてたし、
チェコ製部品の信頼性もイマイチだったようで、自機のプロペラを撃つ事故が数件起こっている。

そんなこと気にしてる場合じゃなかったんだろうけど、ナチスドイツの戦闘機のコピー品で出撃するイスラエル軍パイロットはどんな気分だったんだろうか。

39 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:22:17.515 ID:KWCz47gK0.net
全く読んでないけど、主義を通したい奴が書きがちな相手を考えてない気持ち悪い文章は台本形式でも読む気が起きないという事が良く分かった

40 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:22:44.560 ID:jItz276u0.net
ーー1949年9月ーー

イスラエル「ようやくヨルダンとの停戦に合意したぞ……」

イスラエル「半年前にはエジプトとも停戦したけど、どっちも占領地は手放さないつもりだ…… まぁ独立した時に領土は決めてなかったけど」

イスラエル「占領した土地をずっと奪ったままなんて、世の中ひどい人たちがいるもんだよ。ああはなりたくないね」


第一次中東戦争の結果、ヨルダンは目的通り大ムフティの一族がエルサレムに政権を立てることは阻止、エジプトもガザを保護領のままにしてパレスチナに食い込むことはできた。

41 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:25:01.087 ID:jItz276u0.net
>>39
この話に通したい主義はないよ

42 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:27:22.740 ID:jItz276u0.net
この戦争の結果、廃墟となったアラブ人の村は450にもなる。
2000年前にご先祖が住んでいたと主張する人々が帰ってきたために、
その2000年間いくつもの王朝や帝国に支配されながらその地で耐えた人々の子孫たちは、わずか1年足らずの間に大半が故郷を失うことになった。

戦争終結後の1950年、総人口44万人のヨルダンには、50万人ほどのパレスチナ難民がいた。

パレスチナではユダヤ人率が20%にまでなった頃、紛争が多発した
では総人口を上回る外国人を入れたヨルダンはどうなる
受け入れるのがユダヤ人と違い、同じアラブ人だからまだいいというのはあるかもしれない
しかし、『同じアラブ人』がそれほど通用するなら、パレスチナ内戦でアラブ人勢力は分かれることも、互いに警戒し合うこともなかったはずなのだ

決して豊かでないヨルダンに押し寄せた『同じアラブ人』が、最悪の事件を引き起こそうとする。

43 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:29:16.767 ID:jItz276u0.net
ーー1967年ーー

イスラエル「今度の戦争(第三次中東戦争)は大戦果だったな! エジプトからはガザにシナイ半島、ヨルダンの西岸地区も手に入れたぜ!」

イスラエル「特に西岸地区だ。水源はあるし、エルサレムの観光収入も入る!」

イスラエル「ん、砲撃? って、ヨルダンからか!?」

イスラエル「いや、仕掛けてるのは最近結成されたPLO、パレスチナ人か…… まぁあいつら、ヨルダンに間借りしてるしな」

イスラエル「まぁいいや! 報復攻撃はヨルダンに、と!」

44 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:31:57.678 ID:jItz276u0.net
イスラエル「PLOの連中め、越境してゲリラ攻撃まで仕掛けてくる……」

イスラエル「拠点は国境近くのカラメか。よし、カラメを攻撃するぞ!」



ヨルダン民A「カラメの戦闘ではウチの兵隊も亡くなったとか」

ヨルダン民B「ユダヤ人も憎いが、あいつらだよ… 余計なケンカ売って」

ヨルダン民C「難民を受け入れてりゃあこれだ。送り返せないもんなのかねぇ」

ヨルダン民B「見ろよあそこ、ありゃ戦士サマだぜ」

PLO「カラメの戦闘からわずか二日で、5,000人もの戦士たちが我々に合流したぞ!」

集まった『戦士』たちは、難民キャンプの中に、ヨルダンの軍や警察の力も及ばない独自のテリトリーを作っていく

45 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:36:54.518 ID:jItz276u0.net
PLOを構成する組織の一つPFLPはヨルダン王政を敵視し始め、革命で王政を妥当しようとまで主張し始めた。

ヨルダンにもはや彼らを置いておく余裕は一切残されていなかった。
『パレスチナ人を内戦から16年続いた悲惨な状況から救い出そう』
そう言って立ち上げたPLOが、今度は受け入れ先で内戦を起こすことになる

ヨルダン内戦の停戦自体は、十日ほどで調印されることになった。
PLOはこの戦闘で25,000人のパレスチナ人が犠牲になったと主張し、ヨルダン王フセインはパレスチナ人を大量虐殺した王として非難されることになった。
ならどうしろと……

46 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:37:58.313 ID:jItz276u0.net
その後ヨルダンは1994年にイスラエルとの平和条約に調印
条約ではエジプト・パレスチナとも難民救済のために
協力するとされたものの、ヨルダンの難民はその後も増え続け
現在では230万人のパレスチナ難民と、60万人のシリア難民が暮らしている……

47 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 22:39:17.026 ID:jItz276u0.net
おわりです

はやくヨルダンにいるパレスチナ難民が帰れるようになってほしいです

48 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 23:23:47.910 ID:jItz276u0.net
この話を書いてて不思議に思ったのが、よく言われるイギリスの三枚舌外交
中東に関する資料って当然アラビア語や英語が多くて、当たり前だけど日本語のはそれらより少ない
wikipediaの記事も同じなんだけど「三枚舌外交」の記事、なぜか日本語だけしかないんだよね
日本のテレビ番組とか解説動画とかでは当たり前のように語られるし
中には>>2に書いたように、まるでパレスチナ人との約束とのような記述も見かける
これ誰が言い出したんだ……? というのが疑問

49 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 23:27:49.451 ID:jItz276u0.net
そもそもなんでイギリスとパレスチナの間の協定みたいに言われるようになったんだ?
と思って、俺が見た中で一番古い記憶にあるのを思い出して探してみたのがこちら
http://tiyu.to/permalink.cgi?file=news/01_09_13

2001年の記事だ
もちろんこの記事書いた人も何か参照してこう書いたんだろうけど
この話の初出はわからない

50 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 23:33:19.265 ID:jItz276u0.net
三枚舌でなく二枚舌だけど、こういうのもある
https://diamond.jp/articles/-/286812?page=2
>アラブ人に対して、
>「オスマン帝国に反旗を翻せば、パレスチナの地にアラブ人国家を建設する」という
>「フサイン=マクマホン協定」を締結していたのだ。

でもフサインとマクマホンのやりとりで、イギリス側の言い分としては
シリアのアレッポとダマスカスを結ぶ線の西側は純粋なアラブの地とは言えない、としている
これも実際のアラブの定義としては正確ではないだろうけど、
締結前から、現在のイスラエル・パレスチナにあたる地は対象外というのがイギリス側の条件なわけだ

51 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 23:39:51.989 ID:jItz276u0.net
今『シリア』と言われると国名の方で思い浮かぶけれど、
オスマン帝国支配時代は、今のイスラエル・パレスチナがあった辺りまでシリア
当然、パレスチナはダマスカスより西にあるし
「南にずれてるから西じゃない」なんて話もそうは通らないだろう

52 :以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2023/12/15(金) 23:43:21.866 ID:jItz276u0.net
パレスチナ問題は「同じ土地で独立を約束されたから」争っているわけではない、ということ
これを押さえておかないと、「イギリスの三枚舌外交が原因」と思ってしまう

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